コンテンツへスキップ

歪曲続く日本テレビの「南京事件」

5月13日、日本テレビ系列で「南京事件Ⅱ」が放映された。3年前の10月に放映された「南京事件 兵士たちの遺言」の続編で、「南京事件 兵士たちの証言」がさんざん批判されたため、反論に出たらしい。

 

前回日本テレビは、会津若松歩兵第六十五連隊が中国兵を銃殺、それが南京大虐殺だ、とした。この放映に、中国兵を射殺したのはやむない自衛発砲だ、という批判が噴出した。

 

今回の日本テレビの反論によると、自衛発砲説を言いだしたのは歩兵第六十五連隊長の両角業作大佐で、昭和30年代にメモにした。しかしメモは一次史料でなく、自衛発砲説は戦後に生まれた弁明、ネットでの批判はそれを引き写ししているだけであると反論した。

 

前回は歪曲した番組づくりをしたが、今回もやはり歪曲している。

 

両角連隊長がメモを作成したのは昭和30年代であるが、作成するに当たって基にしたのは昭和12年当時の日記である。そこには中国兵を解放しようと準備し、解放したと書かれている。日記に書かれているのはそこまでで、メモによれば、ところがいざ解放となった段階で混乱が起き、発砲せざるをえなかった、連隊にも死傷者が出た、という。メモと日記との間に食い違いはなく、整合している。

 

日本テレビは、メモが昭和30年代に書かれたことに目をつけ、連隊長は戦後になって言い訳をした、という番組作りをした。日記にはまったく触れず、日記も昭和三十年代に書かれたように視聴者を誘導している。

 

このような番組をつくるテレビ局に電波を割り当てていいのだろうか。そういった番組のスポンサーにも責任がないとはいえないだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です