MSN産経ニュースで高校の教科書検定に関する記事が取り上げられました。
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「30万人犠牲は誇大」南京事件で中国主張初否定
河村たかし名古屋市長がその存在を否定したことで波紋を広げた「南京事件」。過去十数年の研究で、戦闘による死者は万単位であっても、民間人の大量虐殺はなかったことが判明しつつあるが、今回検定に合格した日本史教科書6冊のうち4冊が中国政府の主張する「30万人」や「20万人」といった犠牲者数を従来通り記述。一方で、「30万人説は誇大」と初めて否定した出版社もあった。
実教出版の日本史Aは、本文で「大虐殺」という言葉を使い、犠牲者数については「約20万人」、注釈で「30万人以上」と記述したが、「諸説を考慮していない」として検定意見が付き、「なお、日本国内では虐殺数について『十数万人』など他の説もある」と付け加えて合格した。
第一学習社も本文で「南京大虐殺」、犠牲者数を「多数」「20万人以上」と記述。注釈で「十数万人以上」「4万人前後」「30万人」と諸説を列挙した。
一方、山川出版社は近年の研究成果を踏まえ、こうした自虐的な歴史観に基づく記述を変更。日本史Aの現行版では「数千人から30万人(現在の中国の公式見解)まで、いろいろな説があるが、その実情は明らかではない」としていたが、今回はその後に「学者のあいだでは、30万人説は誇大な数字と考えられている」と付け加え、中国側の主張を初めて否定した。
明成社の日本史Bは「現地の軍民に多くの死傷者が出た。なお被害者数や実態については、今日でもさまざまな論議がある(南京事件)」と記述したが、検定意見が付いて「日本軍によって」を付け加え、「(南京事件)」の位置を「死傷者が出た」の後に移すことで合格した。
文部科学省は「日中の戦闘行為ではなく、日本軍によって多数の死傷者が出たことが南京事件。特定の犠牲者数が書いてあるものについては、諸説や議論があることが分かる記述を求めている」と説明する。南京事件に詳しい拓殖大学の藤岡信勝客員教授は「大虐殺説を唱える学者で今も30万人説を主張する人はほとんどいない。30万人説が検定を合格するのは極めて不適切。諸説があることの記述を求めるなら、虚構説の記述も求めるべきだ」と指摘している。
2012.3.27 22:03
MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120327/edc12032722040005-n1.htm