南京の真実国民運動(阿羅健一会長)は、国際歴史論戦研究所(杉原誠四郎会長)連名で、外務省アジア大洋州局長宛てに中国で公開されている映画「南京照相館」「731」に対する声明を発出しました。
外務省アジア太平洋州局長 様
2025年10月31日
南京の真実国民運動 会長 阿羅健一
国際歴史論戦研究所 会長 杉原誠四郎
本年7月25日、中国で映画「南京照相館」(Dead to Rights)が封切られた。同月31日、中国人民共和国駐日本国大使館は「南京照相館」が公開と同時に大ヒット、公開翌日には興行収入1億元突破とXに投稿した。また、子供は強制的に観せられ、親たちと涙を流す子供や日本に激しい敵意を抱く子供の動画をXに投稿した。同じ31日、蘇州で日本人母子が襲撃され母親が殴られる事件が起こり、映画の影響と伝えるXもある。
「南京照相館」は、南京陥落の際、日本軍が撮影した虐殺の写真を7人の南京市民が盗み出すというストーリーである。が、日本軍に戦場を撮影する部署は存在せず、16枚の写真も、南京戦当時の真冬の風景とかけ離れており、南京戦に関係した写真でないことは初歩的な段階に会って明らかである。
また、本年9月18日には、日本軍の関東防疫給水部(通称731部隊)を題材とする映画「731」が公開された。制作側の説明では、中国を侵略した日本軍の非人道的な残虐行為を暴き出す目的で、断片的な史実に脚色を加えたもので、18歳未満の子供には鑑賞に注意を付するほどの凄惨な表現が続くとされている。
その他、さらに「東極島」という反日映画が制作公開されていると聞く。
上記「南京照相館」については次のことが指摘されておかなければならない。1937年南京戦は確かにあり、その際不心得な日本兵によって非戦闘員の殺害、殺傷や略奪等の不法行為が皆無でなかったことは認められなければならない。が、このような一部兵士による敵国非戦闘員への不法行為は、世界のどの戦場でも起こっていることであり、南京戦においてだけ特出して非難するのは妥当でない。
存在しないにも関わらず存在したとする「南京事件」は日本軍が意図的計画的に、その上で軍隊の組織をともなってか、または組織をともなわず放置によってかの違いを持ちながら、非戦闘員たる一般市民を大量に殺害することを指しているが、南京戦にあって、一般市民に対してそのような大量の不法殺害たる事件は起こしていないことが学術的に完全に証明されている。
また、学術レベルではなく政治的レベルでも、2012年、当時名古屋市長であった河村たかし市長が、「南京戦はあったが、南京事件は存在しなかった」と発言し、当時名古屋市と姉妹都市であった南京市より抗議を受け、中国政府も抗議をしてきたが、河村市長は発言を撤回せず、南京市、中国政府はこれを否定することができず、結果として政治レベルでも決着している問題である。
「731」については、次のことが指摘されていなければならない。表現内容に断片的に史実が反映しているとしても、戦後80年、史実を凄惨な表現でもって映し出す映画を制作し、公開することとは政治的に許されることではない。日本からすれば、例えば、1937年、日本軍の下で結成されていた中国人部隊が反乱を起こし、日本人一般市民を虐殺した事件があるが、これを史実の通りの残虐なシーンを映し出して映画を制作、公開すれば、表現の自由が認められている日本であっても、その残虐性ゆえに、そしてその反中的効果も考慮するゆえに、日本政府は一般の公開を認めないように措置をとるであろう。したがって制作しても興行収入を得る見込みはなく制作自体も試みられることはないであろう。
このように一方的に反日感情や反中感情を煽るような映画の制作、公開に対しては政府の手によって禁じることは、21世紀、世界の平和、人類の福祉のため、世界のいずれの国家、及びその政府にも課せられていることである。
しかるに中国にあっては、このような映画の制作、公開を抑制しているようには見受けられない。むしろ推奨しているように見受けられる。21世紀の世界の平和、人類の福祉に逆行している対応の仕方だと指摘せざるをえない。
中国にあっては、中国国民を統治する中国共産党は、中国国民を統治することの国民からの委託の手続きを取っておらず、中国国民を統治するための正当性(正当なる根拠)を持っていない。それゆえに、国内にあっては必要の度を超えて国民を抑圧しなければならなくなり、国外にあっては特定国に対して必要の度を超えて敵意を煽り、敵意を国民に植えつけなければならなくなっている。
中国共産党は、国内で共産党内の昇格人事について、国民の投票を実施するか、あるいはそれへのわずかであるが近似するものとして党内での党員による投票を実施するなどして、中国共産党の中国国民を統治する正当性を少しでも確保するように改めるべきである。
他方、日本国政府にあっては、中国においてこのような映画が制作、公開されていることに厳しく抗議しなければならない。そうであるはずなのに、これという抗議をしないで今日に至っているのは何ゆえか。日本国の尊厳を貶め、世界の平和を阻害し、人類の福祉に反している無作為といわなければならない。
それどころか、外務省のホームページには、かの存在しなかった「南京事件」につき、「日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的人数については諸説あり、政府としてはどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています」と、あたかも「南京事件」が存在したかのように読める文言を2007年以来掲載しているが、この怠慢はいかなることか。
南京戦にあって、日本軍が意図的、計画的に、その上で組織的にか非組織的にかの違いはあるものの、その違いはともかくとして南京市の非戦闘員たる一般市民を大量に不法殺害をしたという「南京事件」は存在しなかったことについては、すでに学術的に完全に証明されている。にもかかわらず、「南京事件」が存在したかのように読める表記を放置したままにしているのでは、中国のこうした「南京照相館」などの映画の制作、公開に抗議をする根拠を失うではないか。
2023年4月3日、参議院決算委員会で、当時の参議院議員、和田政宗議員の質問に答えて政府は、南京戦において「南京事件」が存在したことを証明する史料は発見されていないという趣旨の答弁をしているが、ならば外務省に南京戦に関する表記は直ちに修正するか削除すべきである。
南京の真実国民運動、及び国際歴史論戦研究所は合同で、中国政府、及び日本政府に以上の声明を発する。
以上。
