3月18日、英議会の超党派委員会が令和5年10月7日のハマスによるイスラエル奇襲に関する報告書を発表しました。報告書はハマス戦闘員による残虐行為を詳述し、「1200人近い罪のない人々が実際にハマスとその協力者によって殺害され、その多くは1937年の南京大虐殺以来、世界史上見られなかった残忍な蛮行の現場で殺された」と説明しています。
南京事件が世界史上見られなかった蛮行として記述されたのはアンドリュー・ロバーツ貴族院議員が超党派委員会の責任者としてかかわっているからのようです。去年3月に発売されたブライアン・マーク・リッグの「ジャパンズホロコースト」は日本軍が3000万人のアジアの人々を殺害し、ドイツのホロコーストと匹敵していると非難しました。アンドリュー・ロバーツ貴族院議員は「ジャパンズホロコースト」に「まえがき」を寄せ、ブライアン・マーク・リッグを全面的に評価し、南京事件の記述にも同意しており、それが報告書に反映されたと考えられます。
「ジャパンズホロコースト」は戦争プロパガンダ研究会によって徹底的に反論されました。「ジャパンズホロコースト」に用いられている数字は根拠のないものばかりです。アンドリュー・ロバーツ議員も「まえがき」に、戦争が終わったとき520万の日本軍が中国に駐屯していたと記述しています。実際に駐屯していたのは100万の陸軍で、海軍を加えても110万、アンドリュー・ロバーツ議員もブライアン・マーク・リッグとおなじ人物です。
報告書が南京事件を記述したのは、それに加え外務省のホームページが南京事件を認め、英文でも記述しているからでしょう。令和5年4月に林芳正外務大臣はホームページの根拠はないと国会で答弁しましたが、依然として南京事件はホームページに掲載されたままです。