二年前の八月、南京事件の写真がアメリカのネット競売に出され、たちまち注目を浴び、中国でさらに注目され、国際的に話題となりました。ところがそれは上海の南京路を写したものをネット競売の主催者が南京のものととらえたもので、南京事件とはまったく関係ないものでした。たちまちアメリカで批判が起こり、学者が非難し、『ローリング・ストーン』誌なども厳しく批判しました。
しかしネットの主催者は、ドイツのホロコーストがアメリカで知られているように日本の行動は知られてない、アルバムの写真はそれを示すもので価値あるとし、十一月にシカゴの中国総領事館に寄贈することにしました。単なる支那事変の上海の写真であり、博物館なども注目しなかったものであるにもかかわらず、中国総領事館はアルバムを受けとるとともに、主催者に対し大使が感謝状と磁器の茶瓶を与え、さらに昨年の総領事館での建国記念日式典に招待しました。
主催者は一時自分の無知と世間の批判に参ったものの、中国の厚遇に元気づけられ、最近、TikTokで南京事件追及の必要性を説き、そういった主催者の映像を中国人がXで取りあげだしています。歴史を知らないアメリカ人と、つねに歴史を捏造する中国の姿勢が明らかになっているものです。